ジェンダーレス男子という"呼称"に想う/「男は男らしく、女は女らしく」という価値観が過去のものになるための過渡期に飛び交う、冷たい石。

 

【過渡期】
―古いものから新しいものへと移り変わっていく途中の時期

 

最近、この言葉が頭にふっと浮かんでくることが増えた。

 

そういう空気を日々の中でひしひしと感じるそのきっかけが、機会が、
徐々に増えてる。どんどん些細になってきてる。
あらゆる価値観の、美徳の、
その移り変わりがドッと訪れていて
今この国は、ほんのちょっと混乱しているみたいだ。
私はどちらかというとワクワクしてるんだけど、
ドキドキしてる人も、ソワソワしてる人も
イライラしてる人も、プンプンしてる人もいて
ぜんぶまとめて、ほんのちょっと、混乱を生んじゃっている。


過渡期。


というわけで、私の話をちょっとだけ聞いてください。
あらゆる面、のうちのひとつについて、お喋りするので。

 


 


男女の性差に関する意識。
男と女のあいだにビッチリクッキリ引かれてた白線が、
前よりずいぶん薄くなったと思いませんか?
すり減ってきちゃったんですかね。

 

「男は男らしく、女は女らしく」

 

これが、古い価値観になろうとしています。
少なくとも、絶対そうじゃなきゃいけない!って
強く言いづらい雰囲気がすごく出てきてますよね。

 

看護婦が看護「師」という名称に変わった。
保母さんだって保育「士」になっちゃったし。


職業の面ではもう、今更?というぐらいに定着しましたけど
もう少し日常的な部分までに及んできているように感じるので、
今回はそこについて、書きます。
要するに、ファッション、言動、行動、などのパーソナルな部分にも
「男は男らしく、女は女らしく」なんて、通用しなくなってきている。
というお話です。

 

白線をまた引き直そうよ!
って強く言う人も、まあいるにはいるけど
少なくとも、ものすんごい多数派でも、
超常識的とされるな集団でもなくなりましたね。
でもやっぱり、長く長く長く長~~く続いた時代の
崩壊していく姿が顕著になれば、ちょっと混乱する。
とりわけ男性たちは、巻き込まれがちなんじゃないかな。
大変だな、と思います。もちろん女も。
あ~!!なんか男とか女とか面倒ですね、本当に!!
書いててやんなってきたよ!!

 

ああ、ところで、
ジェンダーレス男子という言葉、覚えてますか?

 

例の、流行らせようとしてあんまり流行らなかったやつ。
言葉が、って意味です。存在じゃなくて。
流行らなかった理由に、
従来の価値観の崩壊からの再構築、の象徴!
とするには、戦略が稚拙だったことが挙げられる…
って、個人的には思っています。

 

あえての稚拙による賛否両論を生む、という戦略なのかな?
とも考えましたがこの説は希望的観測である可能性もあるし、
仮にそうだったとしても、
ションボリする人をたくさん生んだのでアレですし
つまり今回はすっとばします。ほんとごめんなんですけど。
賛否両論になんのメリットがあるかは、
も~~!!あとでちゃんと書くから許して~~!

 

あと急にごめんなんだけど、私子供とか大好きだから
読み聞かせの練習していいですか?

 

──────────────────────────────

 

本当は怖い日本昔ばなし

~名前のない村~


むかァ~しむかし、あるところに
美容とかお化粧とかきれいめの服が
けっこう好きな男たちの住む村があったそうな
小さなその村は、そこそこ少し平和じゃった

 

村には名前がなかった
そこはただの村だったのじゃ


門の外からのぞき見されてバカにされることもあった
門の外に飛び出していった者が、石を投げられることもあった
それでも、そこそこ少しは平和じゃった…


おっそろしいもんが来たときは、岩の後ろやでっけえ木のウロに、
身を隠すことが、まったくできねェわけでもなかった

 

「嵐が過ぎるのを、みんなで待つべやァ」

 

わらぶき屋根の下さ、美容好きの男たちば集まって
肩寄せ合って、化粧水叩きこみながら
嵐が過ぎ去るのを待つ夜ァ
新右衛門の美顔ローラーが大活躍、空さ晴れるころには
フェイスラインがスッッッキリしてるぐらいだった

 

ところがある日…

 

「てェ~へんだァ!てェへんだァ~!鬼さやってきただァ~!」

 

ある昼下がりのことじゃった

 

転がるように走ってきた与平ば、
血相変えて叫び散らすもんだから
村の男たち、これはただごとじゃねェと息を呑んだ

 

ズウン、ズウン

 

その後ろからやってきた、
でっけェ、でっけェ鬼の姿さ見て、
みんなひっくり返っちまうより前に、
ひょうい!と与平をつまみ上げてぶうら、ぶうら
でっけェ、でっけェ口を開けて
こう言ったそうな

 



 

お前らはあ~
今日からあ~
ジェンダーレス男子だあ~

 



 

悲しいことだがよォ、
その日から村は観光地になってしもうた

 

休日のおしゃれで化粧をするけど普段はスッピンの与平、
スッピンで外に出ないマイルールを持つ五平、
肌がピッカピカで性格が悪い新右衛門どん、
肌がピッカピカで性格が良い新左衛門どん、
髪がピンク色の太一郎、
黒髪だけど爪がラメラメの太二郎、
ショップ店員の梅吉、
会社員の松吉………………

 

個性豊かな村の男たちは
みィんなみィんなその日から、
ジェンダーレス男子村の
ジェンダーレス男子になってしもうたんじゃ

 

哀れがる者もおった
彼らを応援する者もおった
けれどたくさんの者たちが、彼らに石を投げる

 

いてえよォ、いてえよォ、
泣いても泣いても、
石つぶてば、かたくて、冷たくて
たまらん男もおった
石つぶてば、グローブはめてキャッチして
剛速球で投げ返す男もおった

 

ほんに男たちは、それぞれじゃった

 

なぜなら男たちは、
ジェンダーレス村のジェンダーレス男子じゃァなくて
たんなる男、
たんなる、男たちだったからじゃァァ…

 

生贄に連れて行かれた
X○Xのと○んという男は
命からがら逃げてきたあと自身のブログで

 

「一週間以上毎日100件以上もの批判のコメントを頂いた時期も何度も何度もありました」
「自分でジェンダーレス男子と思ったことも1度もない」

 

と語ったそうな…
おそろしィ~話じゃァァァ…

 

まァ同じ記事で

 

「気持ち悪いって思われても全然平気」
「こんなに楽しく生きています」

 

とも言ってるので、と○ん的には、

 

めでたし、めでたし


おしまい!

 

──────────────────────────────

 

あの、昔ばなしって書きましたけど、
ジェンダーレス男子という言葉が昔ということであって
石は今もずっと飛び交っていますからね。
「男は男らしい格好をしなければならない」
という価値観で生きていないというだけの人たちにぶつけるための石が。

 

「気持ち悪い」

 

という感想が単なる好みの話だったら、という話はしていません。
それってたんに、
私は梅干しが好き!いや私は梅干すっぱくて苦手!
の次元だけれど、

 

もしも、男なのに"おかしい!"という位置からのものだったら。
いや、それもそれで個人の考え方の自由なんですけどね。
本当に、考え方は自由なんですよ。
というあれこれについては、置いといて…

 

だって私、その意見の是非を問いたいわけではないんです。
もう一度言うけれど、記事のテーマが「過渡期」なんですから。

 


【過渡期】
―古いものから新しいものへと移り変わっていく途中の時期

 

 

それでね

 

化粧とか、
中性的な格好とか、
もしくは女性的な格好とか
それらが「おかしい!」とされる、
男は男らしく、女は女らしく、が幅をきかせる時代、

 

たぶん、あともうちょっとで、終わると思う。
ジェンダーレス男子とかそんな言葉が、
たぶん、そもそも、いらなくなる。

 

あとは、私の個人的な気持ちなんだけど。

 

好きな格好を好きなように楽しんでいる男性たち、
美しく生きて、楽しいと思えることを、ますます楽しんでほしい。
賛否両論あると思います。賛と否に揉まれて、苦しいと思います。
でも賛否両論って実は、利用価値があるんです。
みんなキャッキャと汚い言葉を使うかもしれないけど、
その規模が大きければ大きいほど、いくつかは絶対、
有意義なディベートが生まれてくれるんです。
ディベートが起こるほど熱心な注目を集めてるものには、
良くも悪くもだとは思いますが、
それ相応、味方がちゃんと増えていきます。
あとぶっちゃけ、
シンプルに注目されちゃえば、賢く利用してやることができます
そんなシンプルな苦しみじゃないよ!って思う人もいると思うけど、
だからこそ美しく、利用していいんです。こんなもん。

 

あの~~、誤解してほしくはないんだけど、
中性的な格好、女性的な格好をする男性は、賢い!
とか、そんなことべつにぜんぜん、思ってません。
そんなわけがないから。

 

バカもいれば賢い人間もいる、
だって身ぐるみはがしちゃえば
ただのハダカんぼうの、人間だからです。
中性的、女性的な格好の
どうしようもないクズも掃いて捨てるほどいます。
ただ、賢い人間は利用したければ賢く利用していっていいと思うし、
利用したくないなら利用しないでもそれは個人の自由。
そうなんです、自由がまだまだ足りてないんです。

 

今はね、ファッションにもパーソナリティにも自由になれる時代への、
ええ、何度でも言います。「過渡期」なんですよ、今は。

 

そのうち、わざわざ目立つように
「誤解してほしくはないんだけど」とか前置きして
人間個人の知性は、してる格好が
「男らしい」かそうでないかとは、関係ありません!
ということを読んでる人たちに分からせようとしなくても
「したい格好をしてるだけだから当たり前だよね」って
価値観まるまる変わんなくても、
世界がぜんぶ変わんなくても(それはたぶん無理だし)
少なくとも、文脈でわかってもらえる時代が、来ます。
あともうちょっとで。

 

で、もう一個、"誤解しないでほしいんだけど"

 

気持ち悪い!おかしい!と思う人たちはバカ!
って言いたいわけでもなくて、
(そう思う人たちだって"それぞれ"なわけだし)
単に時代の「過渡期」っていう話をしてるんです。
"誤解しないでほしいんだけど"、って
何度言わせんのよ!
言わせんのよっていうか、勝手に言ってるんだけど。
でも言わなきゃいけない感じ、あるでしょ、まだ。
2016年は、「まだ」、こういう話題でギスギスしやすい。

 

「まだ」。



最後に、エールを。


過渡期の先頭に立つ人々、
立たざるを得なくなった人々、
賛も否もとても苦しいと思うけれど
もうすぐ、「先頭に立った人々」だった時期を
懐かしむことができると思います。
そのために、先陣切って、美しくあれ。

 

応援しています。