「殿、利息でござる」の羽生結弦の演技の、偶然と必然が生んだ良質なエグさについて

皆の衆、元気?

こないだ「殿、利息でござる」を観てきたんだけど、
羽生結弦の演技について語っていい?語るね。
ちなみにネタバレなんだけど、思いっきり語るね。


まず本当にリアル殿感がエグくて、どのぐらいエグいかというと、
出てきた瞬間、と、と、殿~!っていう納得感がすごくて、
客席全体にまるで鼓(つづみ)を打つかのように
上に向けたてのひらに握りこぶしの側面をぶつける(正式名称知らないジェスチャー

 

\ポンッ!/

 

という音が大音量で響いた。気がした。気がしただけです。

 

このエグいほどのリアル殿感が何に起因してるかというと、
私が思うに、単に高貴な雰囲気~上品~ってだけじゃなくて、
「聡明な世間知らず」感のエグさにあったと思う。

 

殿ゆえに育ちがエグいほど良く、育ちがエグいほど良いゆえに、
エグいほど蝶よ花よと城に閉じ込められて育ち、
世の中のエグい醜悪を知らないがゆえに

 

「基本聡明だけど世間知らずでやたらおおらかで
好奇心旺盛で少年性豊かな美しき若殿」

 

などというエグい危うさ出てて、正直マジで心配になった。
大丈夫かお前?みたいな気持ちになった。大丈夫か。うわ重村大丈夫…?

 

そもそも史実に基づいて考えると、役どころ自体がそういう殿様で
まあ要はあんまりその~、わし、藩の治め方とかあんまりよくわかんないわ!
みたいな。でも結局最後の最後にスイッと出てきて、
「重村である」とかなんとか言って、
利息の件快諾してくれるわ、酒のかっこいいロゴデザイン決めてくれるわで
なんだかんだイイヤツじゃ~ん!ってなる。くるっと丸く収めてくれる。

 

・殿だわ~という納得感
・リアル殿感のエグさ
・なんだかんだイイヤツじゃん!となってしまう、"拭えない悪役感"の、なさ

 

これ三拍子揃ってるのすごくないですか?
すごいな~。羽生結弦はすごい!世界最高得点出すだけある!(えこひいき)

 

いいえ、本当は分かっています。私だって。
狙ってその演技をしたわけじゃないっていうことは、分かっています。

 

単に羽生結弦のもともと持ってるエアリーでわりかし上品めな雰囲気に
「映画初出演」で慣れない演技を頑張ってる緊張感やひよひよ感が合わさって
化学反応<ケミストリー>した結果、
そういうエグい危うさが出ちゃったのは分かるんだけど、
なんかまあ結果的にヒリヒリするタイプの透明度がエグかったし、
ああこの感じ、もし羽生結弦阿部サダヲぐらい
演技が超超上手かったら出なかったのかな…とも。

 

そういう意味での、記事タイトルに込めた「偶然」という言葉。
羽生結弦がアスリートであるということも含めての、偶然。
もしも彼が幼少期、ふとしたきっかけで
俳優を目指していた可能性だって大いにあったわけで、
となると、彼が俳優として殿役に挑んでいた可能性だって、
もしかしたらあったわけで。

 

(もちろん、今回のオファー自体が、名だたる俳優を集めすぎたから"お上感"を出すにはいっそ金メダリストにしてしまうしかね~ナ!という監督の意向によるものであることは知ってるけど、これはあくまで、もしもの話です)

 

となると逆に、このヒリヒリするタイプの透明度って、
もしかすると、出なかったかもしれない。
彼の演技はすごく上手だった。
ただ、"アスリートにしては"すごく上手という演技だった。
彼がアスリートの道を選んだという偶然。映画初出演で殿役という偶然。
そして、ただ羽生結弦羽生結弦であるという、必然!
偶然と必然が生んだ、デンジャラス・ビューティー・殿!
デンジャラスビューティー殿?は?デンジャラスビューティー殿ってなんだよ。
知らないよ。知りません…知りません…

 

知らないけどとにかく、

 

アスリートが映画初出演、という状況から生まれる致し方なしなひよひよ感、
さらに名采配・中村義洋監督の「殿役」というキャスティング
羽生結弦がもともと持ってる性質…

 

すごいね、映画の中の「登場人物」のレシピみたいだね。

 

で、最初に言った「聡明な世間知らず」についてちょっと噛み砕くんだけど、
聡明、世間知らず、単品じゃないところがポイントで、
よりによってそこがドッキングしてしまったのかよ!というハラハラ感が胸にクる。

 

豊かさゆえに世間の醜悪や臭みをさほど知らず生きてこられた人間の持つ
「教養としての知性」があって、ああ、エグいな…と思った。
なにがエグいって、貧困の民の持つ「生きる術としての知恵」ではないところが。

 

べつに羽生結弦、実際は殿じゃないし
醜悪や臭みなんてめちゃめちゃ知ってるんだけどさ。
ただ本当に、必然と偶然の化学反応<ケミストリー>で
そういう感じになっちゃったわけ。

 

羽生結弦演じる映画の中の重村には、後者のような
「生きるためにはこうするしかないんだ!」
というギラギラにらみ上げた感じははまるでなくて、
初めから豊かな人間だけが持つことを許される、
生きる場所は用意されている、全て整っている、じゃあそこから、
「どうやってこの人生を豊かにしていこっかな~ウフフ」みたいな大らかさがあり。

 

監督は重村の登場シーンについて
「わざと畳のへりを踏んでもらいました」と言っていて、
それは、おおらかな殿様であることを表現するためだそうで、
私が思うに、この映画の中の重村のそのおおらかさって、
ギラつく必要がない産まれ方をしてやっと持てる、
時代に守られた人間の持つおおらかさなのかなと思って…
エッグ…エッグい…(卵ではないです)

 

あっこれ妄想入ってる?入ってますかこれ?
ウルセーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!
話半分に聞けーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!
使用者個人の感想であり
効能を示すものではありませーーーーーーーーーーん!!!!!!!!!

 

でも結局、生きることにギラついた民の必死の知恵を最後に取りまとめて、
ホホイと好転させてしまう力を持ってるのは、地位あるもののたった「一声」で、
とにかくそういう身もふたもない時代だったわけで、
身もふたもなくほぼ自動的に"お上"にされちゃって、
強制的に時代に守られる身分の人間特有の無知さ、
温室で育った美しい花、その暴力性。
必然混じりの偶然の産物とはいえそのような
エグい危うさと暴力性を生み出してしまった、
羽生結弦とかいう、日本が誇る、
世界屈指のトップアスリート。エグい。心配になる。

 

っていうことが言いたかった記事なんです、これ。
しっちゃかめっちゃかでごめんだけど…

 

ところで、私は本当に重村様のことが心配。

 

大丈夫か。大丈夫なのか重村…そんな、
わし、豊かな人間特有の明度の高い世界観で生きてます!
みたいな雰囲気をほとばしらせた背筋の伸びかたで大丈夫か。
大丈夫か…重村…大丈夫か重村…重村大丈夫か…
あああ!大丈夫か~~~~~~~~重村~~~~~~~~~~
重村あのあと本当に歩いて城帰れたのか?
犬に追っかけられてギャー!ってなったりしてないか?
だいいちそんなピカピカの超水色のお召し物で
ぬかるみとか砂利道とか歩けるのか?大丈夫か~~~~~~、

 

ていうか練習着着たほうがいいんじゃない?
あの、いつも着てるやつ…アンダーアーマーの…
あれなら動きやすいんじゃない。着なよ。重村。
あれ着て帰んなよ。ね。

 

ごめん、収集つかないから以上です。
うるさい、なんか文句があんのか。
これは私のブログだ。

 

解散!!