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美少年と私

私「美少年くんは頑張ってて偉いなあ 飴ちゃんやるわ。レモン味や。ごめんなあ、おいちゃん仕事してへんからこんなもんしかあげられへんわ」

 

美少年「ううん、ありがとう。おいしいね」

 

私「そうかそうか!いい子やなあ!……おいちゃんな、ほんまは昔…現役女子大生フリーライターになりたかってん」

 

美少年「おいちゃん………泣いてるの?」

 

私「ああ、すまん、すまん、昔話してもうた  ポロっと出てもうたわ。おいちゃんしまりがないからな!ハッハッハ!今のは忘れてな。おいちゃんのむかーしむかしの夢なんか忘れとき…………美少年くんはいい子やさかい、おいちゃんみたいになったらあかんで。おいちゃんとの約束や」

 

おいちゃんはそう言って立ち上がると、背中越しに手を振って、

お酒に酔った足取りでフラフラとどこかに行ってしまった。

いつもの光景だった。

長い会話が終わるとおいちゃんはいつも、「どこか」に行くのだ。

おいちゃんがどこから来てどこへ行くのか知らないけど、

僕はおいちゃんと話すのは好きだった。

おいちゃんはあんまり物を知らなくて、

難しい言葉を使うと「はえ?」と目を丸くするので、

僕はわかりやすい言葉だけ使うことにしていた。

おいちゃんはいつもお酒を飲んでいた。

一度、あんまり飲みすぎると体に悪いよと言うと

「いーのいーの、おいちゃんはもう死んでるんや」と返されたことがあって、

その時はよく分からなくて、

一瞬おいちゃんはほんとは幽霊なんじゃないかと思ったけど、

おいちゃんにはちゃんと足があったし、触っても冷たくなかった。

ただ、少しべたっとしていて、脂っぽいだけだった。

おいちゃんはよく笑う。

よく笑うし、僕のことをたくさん褒める。

美少年くんはいい子だ、美少年くんはいい子だ、

って、いつもたくさん言う。

だけどおいちゃんは、最後まで自分のことを褒めなかった。

おいちゃんバカやから、おいちゃんこんな顔しとるから、

おいちゃんな、おいちゃんな…ダメなやつやさかい。

僕は何も言わなかった。言えなかった。

ただ、おいちゃんにも人生があるんだと思っていた。

だから何も言えなかった。

あの夜以来、おいちゃんに会っていない。

待っても待っても、来ないのだ。人気のない高架下、薄暗くてひんやりした、

真夜中にだけ開かれて夜が明けたらいられなくなる、

僕とおいちゃんだけの秘密基地は、もうなくなってしまった。

おいちゃんのいないここはなんにも楽しくなくて、悲しくなって、

でも本当のこと言うと、いつかは絶対こういう日が来るんだろうなって、

ほんと言うと、初めておいちゃんにあった日から思ってたんだ。

だっておいちゃん、よく笑う人だったけど、

すぐに死んでしまいそうな人だった。

からっぽの笑顔だった。笑って生きるしかなくなった人の笑顔だった。

おいちゃん、どうしてるかなあ、って考えながら

おいちゃんの好きだったワンカップをグイッとしてみたけど、

からくて上手く飲めなかった。

おいちゃん、元気かなあ。

 

 

次の日、人が飛び降りたと近所の人たちが騒いでるのを見た

 

 

 
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意味がわからない

状況を悲観しないようにするのに必死になって一日中ふと何もかもがいやになって死なないように気をはってる、今の私はああもう無理だと思ったら簡単に電車に飛び込んだり高いところから落ちたりできてしまうことを自分が一番知ってるから、とにかく一日中「死にたくない」「生きたい」って頭の中で繰り返してるし、これで本当に自殺したら理不尽すぎるでしょ~癪に障るから死なんとこwってこの状況を無理やりポジティブに持っていこうとして、「教訓」とか「反面教師」って言葉でなんとか試みてるけど、でも茶化す気力は今ないし、もう家族とかって死ぬまで体感できないんだろうし、ていうかまじでつらいのに夢なんかまだ持っちゃってて、心の弱い人間が夢なんか持ったらどうなるかさんざん突きつけられたのにまだ諦めきれなくて、本当になりたいものがあって、でも「なりたいからなる」とかいう単純な構造ではないし、ただ夢を持つというだけでこれから先つらすぎることがたくさんあるのは絶対だし、自分が醜すぎてきれいなものなんか持っちゃいけない、きれいなものを見るのはよくても持つのは許されないのにって考え出すとなんか生きてることが申し訳なくなってきて、あー日の当たる場所歩こうなんておこがましいこと考えちゃいけないよなって思うし、それでなんか、母親に「嫌なもの生ませてごめんなさい、23年間足手まといでごめんなさい、もう目の前から消えるから許してください」ってLINEして家を出て、でもまあ24日に一人暮らしのアパートに入居する予定だからそれまでのあいだどっかでブラブラしてればいいだけなんだけど、まあ当然金はなくなっていくし、ていうかせっかく始めたバイトもつらくなって辞めてしまったし、生活保護解除すること目指して始めたのに2日で辞めたし自分が信じられない、なんで辞めたんだろうって何度自問自答を試みても「なんかつらいから」以外の答えが出ないし、とにかく本当につらくて、でもどこかで「私には夢があるからこれを追いかけて叶えればその瞬間から人生大逆転ハッピー!」とかお花畑な自己暗示を無意識にかけてるし、そうやって自分の夢を信じれば信じるほど、世界のうちで信じられるものがそれだけになればなるほど、挫折したときのつらさが大きいっていうことは一度挫折したから知ってるはずなのに自分の夢に依存してしまうし、思えば夢に依存する前は母親に依存していて、世界は私と母親の二人とその他大勢という構図で成り立っていたんだなと思うと、じゃあ今は一人かよ、ていうかそもそも夢とかなんとかえらそうなこと言ってるけど「挫折したとき」のことばっかり考えて出来るだけつらくない終わらせ方の想像をめぐらせてたりする自分が嫌で、そんなんだから小さいころからいろんな人にトロいって言われ続けて大人になってもずっとトロいって笑われてるんだよって悔しいし、悔しいけど悔しい気持ちをばねに出来る人間ではなくて、悔しければ悔しいほど心が弱っていくし、ていうか、挫折したときの「出来るだけつらくない終わらせ方」なんてないから、じゃあもう挫折したら自殺すればいいじゃんってよぎって、なに書いてるかよくわかんなくなってきたし、「挫折したら自殺すればいい」ってそんなこと言ったって挫折の瞬間まで精神がもつかどうかも分からないのに何様のつもりだよって感じじゃん?なんか、意味わかんないよこの人生 

 

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黄泉の国に遊びに行ってきた話

 

 

人はなぜ人生に疲れると海を見に行くのか

 

原理は分からないけどなんか海って広くてデカくて青くて最高ですよね
周りの人間は総じてうんこだし、母親にいたってはウンスジだし
現実世界にもインターネットにも居場所がないし
精神が弱すぎて働けないし金はないし夢は潰れたし男も女も愛せないし
信頼できる家族もいないし鬱病は10年治らないし友達は11年いないし
恋人は22年いないしそのくせ処女じゃないし
セックスした人間の名前を一人も知らないし
1日に3回ぐらいパニくってかんしゃく起こすようになったし
過呼吸のきっかけが些細になっていくし
腕は年々汚くなっていくしていうか人間怖いしなんかウケるよね、
疲れちゃったし海いこ

 

あとついでに髪切っちゃお、なんか女です子宮ありますって感じでキモいし

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めんどくさいので道中は省きますけど、
なんか特急とかに乗って東京から銚子ってとこまで行きました
千葉県です つまり海があるとこです
写メと一眼ゴチャゴチャにまじってるけど写真を載せていきます

 

まずこれ銚子駅の、銚子電鉄乗り場のなんか白くて小さい建物の戸棚で
すっごい錆びてて、中にすごい古い瓶とか人形とかが沢山入ってて
いかにもレトロです~って感じの演出で、観光地ビジネスだなって思いました

 

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あとイルカに会えるんだって

 

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それで1時間に2本?ペースの小さい電車に乗るんですけど、
夏~って感じの濃い緑がわさわさ生えてるトンネル状のアレを
ゆっくりめの感じで進んでいくのが千と千尋の神隠しの電車のシーンのやつっぽくて
おーなんかこれ私へんなとこに降りちゃいそうだなって思いました

 

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もしくは電車ごと消えそうじゃない?しゅわって霧散しそう

 

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降りたのはべつにへんなとこではなく君ヶ浜っていう駅です

白っぽい建物で、無人駅ってことはないんだろうけど
とりあえず人間とすれ違いませんでした ときめくね

 

外に出てちょっと歩くとこんな感じで、
うわ~~田舎~~上がる~~

 

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名前のわかんない背の高い草がなびいてて、
その向こうに夏の最盛を過ぎてちょっと腑抜けた入道雲があって
ドンピシャで9月4日の田舎って感じ

 

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とにかくこういう名前のわかんない木とかもわんさと生えてるし、
そこに名前のわかんない蔦が絡みついてて
緑色って生命力じゃんって思って、ウケました

 

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途中でトンネル状の一本道があって、
濃い影の落ちる地面に濃い金色の木漏れ日が揺れてるんですよ
思うんですけど、木漏れ日って無邪気ですごいですね

 

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そこを抜けると急に開けて海が広がってて
トンネルを抜けるとどうのこうの、って千と千尋の神隠しじゃん!w
って勝手にウキワクしたんですけど、単に私があの映画を好きなだけだし、
銚子はなにも関係ないからごめんって思います

 

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トンネル抜けて一歩踏み出したら即、これ
うわ~~~えもいわれぬ解放感~~~~安楽死気分~~~

 

こっちは海へと続く白い道なんですけど、

出来るだけセンチメンタルな気分で歩きたかったのに
バッタ?イナゴ?わかんないけどとにかく跳ぶタイプの虫がたくさんいたので
足元に目をこらしてゆっくり歩きました

 

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とりあえず波を撮ったので見てください

 

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波打ち際のしゅわしゅわ部分って白いレース編みみたいでカワイイよね

 

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草がすごい

 

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親子っぽくて笑える

 

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これいかにも海の近くの地面だよね

 

君ヶ浜の端まで歩くと長めの階段があって、
そこをずんずん登っていく途中で振り返るとこんな感じです

 

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このあたりはもう犬吠埼ってとこだと思います
断崖絶壁的なところに沿って作られた階段で、
一番上に展望台があって、それがよくわかんないぐらい白くて、
本当にすべてがどうでもよくなるぐらいに白いので、
妙にハイになって登ったところにあるお土産屋さんで使いもしない小瓶を買いました
なんで人間の女ってコルク栓の小瓶大好きなんですかね

 

お腹がすいたので、お土産屋さんの隣にあるあわび屋っていう定食屋に入りました
ここがすごい風情のあるところで、老女が二人でやってるんですけど、
本当に内装というか椅子とかテーブルクロスとか戸棚とか壁に貼ってあるものとか
醤油さしや会計台?まわりの小物類にいたるまで、とことん老女の家って感じで
なんだろ、私ってここの孫なのかな?って気分になりました

 

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磯定食っていうやつを選びました

 

これ本当に、嘘みたいに優しい味がするんですよ 嘘みたいなんです
嘘かな?って思いました 食べ物ってこんな味するんだなって
泣きそうになりました このまま死のっかなって感じでした
べつに死にませんけど(ワラw

 

サザエを焼いてくれる老女

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下に敷いてある固定用兼着火用の粗塩ここらへんの海で採れたやつじゃないのか?
ということはこれをこのじゅくじゅくに焼けた新鮮なサザエにちょっと振って
したたる魚介の旨み汁ごと頬張ったら…
しかもこのちょっと焦げて香ばしくなってる部分を砕いて振ったりなんかしたら…
って急にひらめいたときはうわー私"通"っぽいなーって悦に入りました
通なので予想はドンピシャで、最高に「死のっかな」って味でした

 

こっちはせっかく一眼持ってきたので
色をオレンジっぽくふわっとさせて幸福な食卓っぽく撮ったやつです

 

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お吸い物に、見たこともないプルプルした謎の海藻が入ってた

 

あわび屋は瓶のラムネを売ってて、この時妙にハイなので買いました
よく冷やしてあって水滴がきらっきらしてるし、
つららみたいに透明なので向こう側を透かして遊びました
後ろでぼやけてるのがさっき書いた
「すべてがどうでもよくなるぐらい白い展望台」です

 

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しゅわしゅわしたやつにくるまれるビー玉が透明すぎると俺の中で話題に
【閲覧注意】このビー玉透明すぎてヤバいwwwwwww
【悲報】嘘だろ…あのビー玉がこんなに透明になるなんて
ヤバすぎる衝撃の透明化!あのビー玉さんの現在の姿をご覧ください
海でナンパした透明感抜群のロリ顔ビー玉、実は女子○学生…俺逮捕寸前wwwww

 

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見晴らしのいい低めの崖?っぽいとこに沿ってガードレール?をアレした道路を
このラムネを飲みながら、しかもさっきとは別の老女がやってる屋台で買った
つぶ貝の串焼き(その場で火で炙ってくれる)を食べながら
頭真っ白でふらふら歩いていくんですよ

 

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そろそろ17時の、だんだん陽光もアワァ~イ橙色になってきて、
ヤッサシィ~イ色の空とフンワァ~リ霞んだそんなに青くも透明でもない海原の、
一番下の部分と一番上の部分が溶け合って境目がよくわかんなくて

水平線ってこんな感じなんだ~って思って、
ふと上を見ると白い海鳥がスイーーーーッ……って通り過ぎていって
あ!!カモメだ!!かわいい!!あれ…違うな…
全身白だったな今の鳥…カモメの黒部分なかったな…
なんだあの鳥…わかんねえ…まあいっか、わはは
ていうかこの橙色みたいな黄金色みたいな感じの空気が目にしみる~~
って、なにが言いたいかっていうと、
晩夏特有の風情がえげつなかったっていう話です

 

それだけです

 

あとこの時確信したのは、
「瓶のラムネって絶対永遠に販売され続けるな」っていうことです

 

犬吠埼駅につくとちょうどよく17時5分?10分?(うろ覚え)の電車が来たので、
乗り込んで、そのまま一気に銚子駅まで戻ります
犬吠埼駅はこんな感じ えげつないでしょ

 

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そのあと予約してたかもめホテルというところにチェックインしました

 

かもめホテルは銚子駅から徒歩6分?ぐらいの
海のそばに建つとても小さなホテルで、
小さな受付け(フロントって言うより受け付けって感じ)に寄ってから
隣の古びたエレベーターで3階に上がると、
夕暮れの陽射しが流れ込む10m?15m?ぐらいのごく短い廊下があって、
大きな絵画が壁に直接立てかけてあって、
小型の扇風機が足元でブゥゥン……って稼働してて、
その3階の短い廊下の両サイドに収まるぶんだけのドアがあって
半透明の青くて細長くて硬くて部屋番号が刻んである、
あのいかにもルームキーのアレですってやつがついたルームキーを差し込んで
ドアを開くと、ものすごくこじんまりとしつつ清潔な部屋があって
鏡も電灯もベッドも木の机も窓もテレビもぜんぶこじんまりとしてるのに
解放感と爽やかさがあって、居心地が良かったです

 

夜になったら駅前の商店街でお土産買おうかなって思ってたんですけど、
スマホとカメラのバッテリーの充電してるうちに
ほとんどの店のシャッターが下りてしまって、
とりあえず酒飲むか、ってなって
駅前の大衆酒場ドリームというお店に入りました

 

仕事帰りの会社員たちがYシャツを袖まくりして、
ワハワハ大笑いしながら飲んだり食べたりしてました

 

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とりあえずハイボールと、
魚も貝も肉もとにかく生が好きなのでハツ刺しを頼んだ

 

でゅるんコリュでゅるんコリュ って感じの
いかにも生の心臓食べてるよね~って食感で
ここに手渡されたごま油をかけるんですけど、
ごま油が大好きなので、びったびたにして食べました
甘くて香ばしいごま油の匂いが鼻に抜けるし、
ハツはハツででゅるんコリュでゅるんコリュ言ってるし、
笑っちゃうぐらいすごくないですか? おもしろ キャハハ
ところで油まみれの生の心臓ってなんかフェチっぽさあるよね

 

エッチだね…ぼく興奮してきちゃったよ ねえいいでしょ?

 

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あとこっちはガツ刺しです
辛味噌?豆板醤?とにかくちょっと、
いわゆるピリからのたれをチョンチョンとつけて食べるやつです
コリコリしてます
この日初めて熱燗を飲んだんですけど、
熱燗って本当においしいですね びっくりするぐらいおいしかったです
じゅわー…ってしみるように喉があったかくなる感じで
いや銘柄によって味って変わるのは知ってるんですけど、
でも少なくともこの、銚子の誉っていうやつはベリーベリーライクでした

 

焼酎ってべつに飲んだことないわけじゃなくて、
20歳なりたて?ぐらいのときにお父さんに飲ませてもらったんですよ
でもそのとき、うわっ辛っ、無理っ、って
辛口とか度数高いやつではなかったんですけど
でもこのとき普通に飲めて、ああなんか大人になったのかな、
そりゃあと2か月ぐらいで23歳だし、大人にもなるわ
大人になりたくてなったわけじゃないのにな
ずっと17歳ぐらい?いや15歳?14歳、13歳、うーん
できればずっと8歳ぐらいでいたかったな
そんぐらいのときまだ幸せな気分だったし
自分が不幸な子供だって気づいてなかったし

 

なんだろ、ほんと私生まれてこなきゃよかったな

 

 

 

後ろの席の会社員「ヒョーーーーーホホホwwwwwwwww」
その同僚「ンンンーーーーッッッwwwwwwwwwww」
私「ムシャムシャ(焼き鳥」

 

お会計を済ませて、かもめホテルに戻ります
23時頃なので道がものすごい暗いです
他に目立つ灯りがないから信号が青になると辺りいちめん青くなるし、
赤になると辺りいちめん赤くなります
さっきまでレモンがぷかぷか浮いた透明の酒と
あったかくて少し甘い香りのする酒を飲んでいて、
すごくおいしい生肉も食べていて、
自分の体が全体的に熱くてふわふわしてるので
なんかねー、なんかー、なんだろこれ?わかんないっ♡

 

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気づいたら漁港にいました

 

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しばらくテンション上がって写真を撮ったりなんだりしてましたけど、
ふいに疲れがきてベンチに座って銚子駅で買ったワンカップ大関を飲みました
記念に自撮りをしようとしたら画面に映る自分の髪が短くて、
短いのはべつにいいんですけど、
自分で切ったのでところどころ地肌見えてるし
ところどころ長く飛び出した毛束があるし
頭の左右で長さが違うし、なんかものすごく、いびつだなと思いました
とりあえず記念なので自撮りはしました

 

月はでかいし見たことないぐらい鈍い赤だし、
暗いし、風が吹くとギィッ…ギィッ…とかゆって船は鳴くし
波がダポッ…暗闇の中で海鳥がグエッ…私ワンカップゴクッ…
とにかくワンカップゴクッ…続いてゴクッ…
はたまたゴクッ…そしてゴクッ…
鳥「グエッ」 船「ギィッ」 波「ダポ~」 風「ビュワw」

 

って感じでどんどん涙が出てきて、止まらなくて、
東京の母親にさっきの自撮り(微妙に角度が違う)15枚ぐらい送ったんですけど、
既読無視されました

 

私の母親は、たまに私のことを「頭おかしいんじゃないの」と言います
やっぱり頭のおかしい娘は嫌なんだなと思います
自分の娘には明るく楽しく美しく正しく生きてほしくて当たり前です
でも私は明るくないし楽しくないし美しくないし正しくもないです

 

小さい頃からずっとどこにも馴染めなかったし
学校だって小学校しか通えませんでした 転校先でいじめられたし
鬱病不登校になってさんざん泣かせたし
不登校児を受け入れる高校でまた不登校になって中退したし
そんな感じだから人を好きになったことがなくて当然恋人も紹介できないし
腕も汚いし、美しい容姿ではないし、美しい生き方も出来たことがないし
やっぱり嫌だろうなと罪悪感はすごくあって、

 

でもぶっちゃけ 私の人生めちゃめちゃにしたのはお母さんじゃんって思うし、


小5の私を再婚相手の男の人と一緒にラブホに連れていって
ベッドに横たわってる私を寝てるんだと思ってすぐ隣でセックスして
その再婚相手が借金で自殺したら知らない年下の男の人の愛人になって
中学生の私を連れて食事をして私の部屋の隣の部屋でセックスしてお金もらって
あとあと私が20歳になった途端に呼び出して
中学生ぶり~大人になったね~って腕引っ張ってラブホに連れ込もうとした男の人と
セックスしかしてもらえないのに4年も付き合ってこの人と再婚するのって言い続けて
今度はこの人と再婚するのって言って付き合った彼氏が
会うたびに私にお前は根暗だ馬鹿だ中卒のくせにって怒鳴り散らしても
お願い我慢して、3人で一緒に暮らすんだからって慰めて
結婚詐欺師に貢いでお金なくなって真冬に電気が止まるたびに
夜通しネットカフェとかファミレスとかでドリンクバーだけで二人で過ごして
家電も家具もたくさん質屋に入れてそのお金ぜんぶその人に渡して
お母さんも写真始めることにしたから一緒に写真撮りに行こうよ、
って言って買ったカメラまで質屋に入れて、なんでって聞いてもはぐらかして
その人に言われて私の名義使って携帯の転売をたくさんして
ブラックリスト入りでぜんぶの会社で新規契約できなくさせて
急に借金500万と家賃の10か月滞納でアパート追い出されるって言いだして
小さい頃から撮りためたアルバムも幼稚園で描いた絵も
小学校の図工の授業で描いた絵も工作もなにもかも
邪魔になるから施設の部屋は狭いからって処分して
そのまま親子別々の保護施設に入居して
人間のたくさんいるところに馴染めないし上手く喋れないからすぐにイビられて
70歳ぐらいのおばあさんにまでなじられながら床に這いつくばって雑巾かけて
風呂場のカゴに入れておいたスマホを隠されて探しまわって
20歳になった私をハプニングバーに連れて行って
ベロチューされてる私の隣でニコニコ笑って
なんかそうやってめちゃめちゃに壊しておいて
鬱病でつらそうにしてると「頭おかしいんじゃないの」って、
そんなのってズルくないですか

 

べつに勘違いしてほしくないんですけど、
「だから私がだめなのはしょうがない、お母さんのせいだ」
なんて言うつもりはなくて、だめになったところで
一度へこたれてももう一度なんとか頑張るために立ち上がるのは
私自身の足でしか出来ないことだし、
自分で努力しないと自分が幸福に生きることって出来なくて、
そんなの当たり前だし、そうに決まってるし、
だからいろいろ頑張ったし(ぜんぶ精神が弱すぎてだめになったけど)
でも、立ち上がる立ち上がらないとか以前に
だめになった理由はこれ、っていう、つまり単なる情報の羅列です
年表みたいなものです 経緯です 理由です ただの事実です
それを言い訳に使うつもりは毛頭ないです
そんなの底辺なりに持ってるなけなしのプライドが許さないです
でも今いる底辺に背中を押して突き落としたのは
お母さんだよね、っていう、ただの事実です
そこから這い上がるのは自分の足だしその足を動かすのは自分の努力だし、
だから頑張るし、でも頑張ってもすぐボロカスになるし、
やっぱりボロカスになるとすごくつらいからつらいよって言うと
「頭おかしいんじゃないの」って言われるでしょう、


ズルくないですか

 

いや、でもやっぱごめんって思うし
じゃあとっととひとり暮らし始めろよって話なんだけど
だからなんか福祉の人に言われて
練習としてグループホーム住んでた時期あって

 

契約切れたあとはひとりで生きようって思って動き回ったけど
よくわかんないデリヘルの店で詐欺に加担させられて辞めたり
よくわかんないデリヘルの店で店長に本番講習されて辞めたり
よくわかんないジジイにアポなしで肛門にちんちん突っ込まれて
モロに痔瘻になって熱出て入院して1週間点滴うちっぱで
だめじゃんこれってなってお母さんの家に転がり込んだし、
それはやっぱ本当にごめんって思うけどさ


すごい頑張ったけどふつうにだめになったし、
いくら風俗でちんちんしゃぶっても悲しいだけだったし
べつに風俗はなんにも悪い職業じゃないけど
こんな気持ちでやってたらだめじゃんって思って
ふつうの接客業の面接行ったらコミュニケーションが下手すぎて不採用で
あれ~…性行為でしか他人とまともなコミュニケーション取れないのか私~…
ってなってその後かくかくしかじかで夢ができて
なんかライターになりたいとか言いだして
言いだしたっていうか、本気だったけど 物凄く本気だったけど
生まれて初めて夢持ったからうれしくて、
でもなんかそれもふつうにだめになったし

 

諦めるって言ったときインターネットで知らん人たちに
なんかボコスカに殴られてまじか~って思ったし
簡単にあきらめるなって言われて
簡単か~そうか簡単か…まいったなこりゃ
「簡単」って言葉奥深いよね~ 
ていうか私って夢とか持っちゃいけないんだな、
ハッハッハ、て思ったし、ハッハッハw
それでお母さんにはため息つかれて

 

なんだろ、人間たちの目の届く範囲に自分が立ってるときに
どういう振る舞いをしていいのかがわからないというか
どういう顔にどういう化粧をしてどういう服を着て
どういう表情で、どういう笑顔で、どういう口の動かしかたで喋って、
どういう歩き方で、どういう頷きかたで、どういうまばたきのしかたで、
どういう声色で、どういう感じでいればいればいいのかがわからないというか
どんな自分でいれば他の人間たちに笑われないのか、
どんな自分なら人間に殴られずに済むのか
どうすればいい?みんなどんな格好が好き?
ワンピース着るとき腰にベルト巻いたら不幸な子っぽく見える?
ストッキング履くと不幸な子?爪の白いとこは1mmがいい?2mmぐらい?
髪って黒がいい?茶色のほうがいい?長いと不幸かな?短いのも不幸なのかな?
前髪はおろす?ななめにわける?みんなどっちのほうが好き?
おでこ見せたら無理して明るく見せてる子っぽくて不幸すぎるよね?
私に不幸っぽいとこあったら言って?言ってくれなきゃわかんないからさ、
遠慮せずどんどん言ってよ水くさいな~、すぐ直すから言ってよ~
どうすればいい?みんな笑って生きてるじゃん、
笑顔が出来る人は出来ない人にアドバイスしてよ~
本当にお願い、わかんないからお願い、あとこのお花のヘアピンどう思う?
やっぱパールのカチューシャのほうがよかったかな?どっちが好き?
三つ編みにするのとポニーテールにするのだったらどっちが好き?
あのね今髪伸ばしてるんだけど、伸ばしたあとはどうすればいい?
どうすればいい?ねえ、どうすればいい?
うーん、なんか意味わかんないや、まったくわかんないや
わかんないし気持ち悪いしなんか女って引くわ、オエッw
イライラするし目の前真っ暗になってきたな、
なんだろうこれ、オエッw気持ち悪すぎw髪切っちゃおw

 

 

それでこのザマだよ

 

漁港の夜から私は母親のことを苗字にさん付けで呼んでます
あの人は私の母親ではないからです
見知らぬ女です
今までさんざんどうにかしてこの人を許そうと努力しましたが
どうしても無理でした 私には出来ませんでした
そこまで優しくないし強くもないし、あと精神が弱いです
見知らぬ女が自分の垢をこねて作った人形が私で、
人形だから人間の形をしてるけど人形だから人間と同じことが出来ません
っていうのは嘘で、べつに私は人間です
人間の精子卵子がくっついて人間の子宮で育って
人間の股から生まれたんだから人間に決まってんだろ
じゃあなんで人間らしく生きられないんだよ

 

ウケる
やっぱ頭おかしいのかな私

 

 

(ガタンゴトン…)←総武線の音です!かっこいいですね

 

 

って思ってるうちに気がついたら黄泉の国を抜けて東京に戻ってきてました!
よかった生きてる!案外生命力強いのかよ!なんだお前!
うおお東京って相変わらずビカビカ光ってんな~
すごいぜ、ギャルが歩いてるぜ
とりあえずマックでチーズバーガー食べよ
あっ、あっ、ハンバーガーくださいっ
ま、間違えた…チーズバーガーって言うつもりだったのに…
チーズがいいのに…どうしよう間違えた…ヤバい…
うっ声が出ない、出ない、あっ後ろに女子大生並んでる、
モタモタしてられないし諦めよ…ううっチーズバーガー…
チーズ食べたかったよぉ…チーズ…チーズ…チーズ…
チーズ…チー……あっ!!!ピクルス抜いてくださいって言い忘れた!!!
うわ~~~~~~~~~~~!!!!!!!!!!!!!!!!
私ピクルス嫌なんだって~~~~~!!!!!!!!!!!!!!!
しくった~~~~~~~~~~~!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ああ……まあ嫌って言ってもべつに嫌いではないし、
できればないほうが嬉しいかなぐらいの感じではあるから…
まあ大丈夫、いける、いけるいける、絶対いける、
絶対いけ、いや今からでも言ったら抜いてくれるかもしれないな?
よし言えよし言えよし言え言え言え、今だ、店員がこっち向いた今だ!!!
あっ………………………………
ああ、だめだやっぱ声でないわ 無理だわこれ
まじで声でないわ なんか息まで苦しくなってきたわ
過呼吸の兆候だわやべえ落ち着け、クール、クールだ俺、
ジェッツはクールを心がけろ、ウエストサイドで生き残りたいならな
いやべつにウエストサイドストーリー1回しか観たことないけど…
はあ~~もうハンバーガーでいいや
はあ~~~~もう…ハンバーガーもべつに好きだし…
ハンバーガー…じゃよくないんだよなあ…
チーズバーガーがよかったなあ……
いやべつにハンバーガーも好きだけどさあ……
今はチーズの気分っていうか…今夜ぐらいはチーズっていうか…
チーズなあ…ほんと……はあ~~~~~~~
はあ~~~~~~ほんと、はあ~~~~~~~……
はあ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~……………………
ほんと、はあ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
~~~~~~~~~~…………………………………………………
……………………………………………………………………………
…………………………私ってほんとにだめだな……………………

……………………………………………………………………………

………………………………………………ていうか晩夏に田舎で断

崖から海を眺めても鬱病は治らないの理不尽じゃん、もう誰かち

ちんぷいぷいで治してくれそれが無理なら1週間にいっぺん神木

隆之介が自宅に遊びにきてくれそうじゃないと割に合わない、来

いよ神木隆之介 もてなすぞ

 

隆之介、あたしを見て

 

 

――――――――――――――――――――――――

仲間、ヒロイン、ライバル不在!
努力はあっても友情も勝利もない!
波乱続きでますますアツい人生バトル活劇…ッ!

「いったい俺はいつになったら楽になれるんだろうな…」

 

その答えとは?!次号を待て!

To be continued…

 

「傾国の美少年」って言葉すごいエッチじゃない?

 

中学生男子だから四六時中エッチなことを考えてるんですけど、

あの、「傾国の美少年」って言葉サイコーにエッチじゃないですか?

サイコーなので傾国の美少年について考えました

 

 

 

 

 

興奮による満面の笑みで黄ばんだ歯を露出させ豚のように鼻息の荒い私「ところで最近思うんだけどさあ、

 


"とんでもなく美しい子供がいるらしい、とにかく踊りが上手くて、
訪れた国がひとつひとつ傾国していくらしいぜ、そんなに綺麗なら一度抱いてみたいもんだ"

 


なんて色めきだった噂が民の間でまことしやかに囁かれているのを聞きつけた
どんな手を使っても王に気に入られて出世して側近になって王の寝首をかこうとしてる若い大臣の男が
その噂の元凶であるしがない流浪の旅芸人と名乗る絶世の美少年の踊り子を見つけるじゃん?
そんで善人ぶりながらも隠しきれないギラギラした目で

 


「報酬はお前の好きなだけやる、王の部屋で舞踏を披露してほしい。
 あのお方は美しいものが好きなんだ、どうか二人きりで…」

 


と遠まわしに夜伽をしてやれと交渉を持ちかけるわけなんだけど、

 


「報酬はいりませんよ、一銭も。
 この国の王はたいそう気難しい方だと聞いておりますゆえ、
 私にはそれが楽しみでなりませんのです」

 


って返すから男は怪訝そうな顔をするのよ、で、すぐに

 


「お気になさらぬよう、わたくしめは変人奇人の魂を喰らって踊る獣なのです」

 


って威圧さえ感じられるほどの柔和で言い伏せられて
微笑みの裏にある底知れぬ超然に一瞬たじろぐんだけど、
すぐに(まあいい、金をかけずに王殺しの日に近づけるのならそれほど良いことはない…)
って思い直して交渉成立して、それで美少年は城に招かれて、
したたりそうなほど黄金の満月の夜にたった一人香を焚き染めた王の部屋に足を踏み入れるじゃん?こっからよこっから!

 


そこには悪趣味なほどおびただしく宝石をはめこんだ
豪奢なベッドの上につまらなそうに心底気がない様子で横たわってる王がいんの、
いかにも退屈そうな声で「踊れ」の一言を投げかけてくるんだけど、
美少年が自分の顔を隠していたベールを静かに払うと王は釘付けになって、
思わず言葉を失ってるうちに美少年は濃紺の丑三つ時の静寂を
優美に切り裂くような所作で舞踏を始めて、
それはこの国の誰もが見たことのない不思議で魅惑的な踊りで、
実体のない蜃気楼が燃えて少年を形作るような、
人を喰らう可憐な砂漠の妖魔のような、背筋が冷たくなるほどの美しさがあって
王はすんごいショック受けて、だけどバカだからまだ強がって


(なるほど、傾国の呼び名も頷けるというものだ)

 


とかって心の中でブツブツ独りごちながら
そんなつもりは微塵もなかったし、早く終わらせよう、
なにか粗相があれば殺してしまえばいい、ぐらいに思ってたのに
月光を透かす薄紅の絹を別の生き物のようにたなびかせて
体に這う華美な金細工をしゃらしゃら揺らしながら
目の前で踊る彼をどうしても手に入れたくなって、
どうせそういう仕事のつもりでここに来たんだろう、に加えて
俺は誰もが恐れる王だぞ、という尊大さにやや自嘲がにじんだ考えで
踊りの最中自分にふわりと近づいた瞬間に身を乗り出して
その少年らしくくにゃくにゃと曲がる細い手首を力いっぱいに掴んで引き倒して
そのまま組み敷いてしまおうと下卑た欲望たっぷりに自分の手を伸ばすんだけど、
その瞬間、ふわっ、とまるで舞踏の一部のように飛び退いて、
俺は王だぞ、となじる間もなく

 


「誇り高き王へわたくしめからの忠告でございます。
 踊り子というものは沙羅双樹の花の蜜で出来ておりますゆえ、指を触れてはならぬのです。
 この蜜の体、あなたさまの熱い指で溶かされてしまいます
 それに、黄泉の花の蜜というものはたいへんに甘く、甘すぎるがゆえに猛毒…
 ひょっとするとその尊いお命、奪ってしまうかもしれませぬ」

 


ってその夜でいっとう美しくていっとう恐ろしい微笑みで返されて、
それが生まれながらの孤独の裏返しで傲慢な暴君になった王にはあまりにも強烈かつ鮮烈で、
畏怖さえ感じるほどの昂ぶりの余韻が糸を引く真夜中の部屋に
一人ぼっちで取り残されてからも唖然と自分の体を抱きしめながら

 


(初めてだ、自分以外の人間を美しいと思ったのは)

 


ってアンニュイな顔で思ってて、

その日から超躍起になって美少年を自分のものにしようとして
金目のものをおもむろにキメ顔で手渡しながら

 


「宝石はお前に似合うだろう、赤が好きならこの国で一番大きなルビーをやろう、
 青が好きならこの国で一番大きなサファイアをやろう、
 どちらも値段すらつけられないようなものだ」

 


って言ったり、それとも黄金のほうが好きか、真珠のほうが好きか、

ってウザいほどしつこく質問攻めにしたり

 


「お前のために仕立て屋に服を作らせた、本物の蝶の羽根をすり潰して塗りつけてあるんだ、
 モルフォ蝶を知ってるか、青とも翠ともつかない、世にも美しい光る羽根を持つ蝶だ、
 罪のない小さな命の残骸を沢山纏って笑う権利がお前にはあるんだ、
 この国の王がそれを許すぞ、何故ならお前がどんな蝶より美しいからだ」

 


「これはざくろの味がするんだ、料理人に言いつけて種をひとつひとつぜんぶ取り除かせて、
 真っ赤な汁を溶かした砂糖菓子で薔薇の花を象らせた
 口の中で溶かしてみれば、鋭い茨の薔薇よりも甘い、
 痺れるような強い香りが脳天を貫く 気の強いお前もきっと虜になるぞ」

 


ってベラベラドヤ顔でまくし立てたりして、いつも必ず

 


「そのような素晴らしい品物、わたくしなど到底つり合いそうにありません」


って柔らかく断られるだけで、諦め悪く毎日何度も何度も迫ってたら

 


「あなたさまはまるで、王でありながら吟遊詩人のようだ 愛の詩など綴られるのですか?」

 


と肩をすくめられて、恥ずかしくなって口ごもりながら退散して、半日ぐらいしてからようやく

 


「疎まれながら国の頂点に君臨する悪辣の王である俺が、
 幼い子供の民にすら死を願われるこの俺が、あんな口を利かれて嬲り殺し以外のことを、
 ましてあんな風にひどく恥ずかしがりもごもごと動揺して、
 そうだ、この俺が"何も言えずに部屋に戻る"、いったいいつぶりだろうか、
 9つの頃に前王……父…にひどく叱られて折檻された時より後にそんな記憶はない」

 


って気づいたら子供の時ぶりに涙がこぼれ落ちて、それで次の日から高価なものを貢ぐのはやめて
お前、歌は好きか、この国の古い民謡にいいのがあるんだ、お前のために歌うぞ
とか言って歌いだしたはいいけど壊滅的な音痴だったり、
かわいい子猫の人形を作ったと言ってオバケみたいな粘土の塊を差し出したり、
お前の似顔絵を描いたと言って幼児のらくがきみたいな絵を額縁に入れて差し出したりで
そのたびににこにこクスクス楽しそうに笑われるから

 


「俺は美しいものを金で雇った誰かに作らせたり、
 美しいものを金で買って集めたりはしてきたが
 美しいものを自分で作るのはからきしダメらしい」

 


としょぼくれてしまって、不機嫌と不安が入り混じった顔で
自分が誘った二人きりのお茶会のテーブルに突っ伏して悲しげなせわしなさで
カップに突っ込んだティースプーンをクルクルクルクル動かしてたら

 


「誰にでも簡単に美しいものを作る方法を教えて差し上げましょう」

 


って言われて、そんなことがあるわけないと訝しんだら
サッ、と手を握られて、その時初めて美少年の肌に触れて、
あの夜、本人の言葉によって「触れてはならぬ」と思い知らされた相手が
自ら触れてきたことに超驚いて目を見開いて、
あまりにも柔らかい肌にフワァ~オ♡♡ってクラクラして、
酔っ払いがピンヒール履きながら眩暈起こしたみたいな足取りのまま庭に引っ張り出されて、
そんで春の逆光に輪郭を浮き立たせた美少年が口にした言葉は
「踊りましょう」で、おずおずたじろぎながら
「お前のように美しく踊れるだろうか」って問いかけたら、

 


「踊りとは、そのものが美なのです。誰がやっても、ひとつの例外なく美しいのです
 何故なら踊りとは、人間が一番最初に見つけた快楽であり、
 この星から人間の全てが死に絶えるその瞬間、一番最後まで残る快楽だからです
 さあ、踊りましょう わたくしは王を想いながら 王はわたくしを想いながら」

 


って言われて、そして差し伸べられた白い手を取ったのを合図に
二人で気の済むまでしゃかりきのめちゃくちゃに
ビヨンビヨン跳ね回って走ってプロレスごっこに興じる男子小学生の昼休みかよってぐらい
ウェーーーーイwwwwwデュクシwwwデュクシwww

バーリアwwwwバーリアwwwwはいきかなーーーいwwwww
お前ズリぃよーー!!いっつもバリアバリアってゆうじゃーーん!!
バリアなしルールなバリアなしルール!!
メガトンパンチ!!wwwww雑巾ベチャッ!!wwwwwwwwwww

つってはしゃいで踊りまくって、
それで汗だくで服が汚れることも厭わず草の上に座り込んで
こんなに体を動かしたのは久しぶりだ、ってひとしきり笑いあってからふと寂しげな顔になって、

 


「俺は孤独だ、子供のころから、いや、生まれた時からだ
 母の顔は知らないが、父はとにかく厳しかった
 毎日怒鳴られて、毎日父を恨んだよ
 父が死んだのは俺が15歳の頃で、病気だったんだ
 哀れなもんだよ、あんなに偉そうで理不尽で我が儘だった父が
 最後の最後は汚いベッドの上で小さな骨と皮の塊になって
 安いオモチャみたいにかたかた震えながら言うのさ、
 お前には悪いことをした、どうか私を恨まないでくれ、って
 その瞬間、恨む気が失せてね 父に幻滅したんだよ
 憎い憎い恨めしい恨めしいと思ってたくせに、心のどこかで崇めていたんだ
 国王として、偏屈に睨みをきかせて陰口を叩かれながらも、
 それでも立派にこの国を治めていた父のことを
 そんな姿見たくなかったから勝手に幻滅したんだ、
 勝手に反発しながら勝手に崇めてたくせに
 王は死に、新しい王が君臨したのがその日だ
 俺が生涯、孤独しか愛さないと決めたのもその日だ
 ……だけど俺は、お前を愛してしまった」

 


って独白みたいに震えながら吐き出したら美少年は優しく抱きしめてくれて、
「あなたはきっと許されます」の一言で堰を切ったように涙が溢れてわんわん大泣きして、
そこにいるのは悪辣の王でも暴君でもなくまるでただの小さな子供のようで、

 


でも王は翌日、青空のよく晴れた真昼に、
密かに決起して反逆を企てていた国民たちに襲われて殺されちゃって、
無残にめった刺しにされてビチャビチャみじめに血を吐きながら
死の間際に絞り出した言葉は「悪いことをした、どうか俺を恨まないでくれ」で、
息絶えたのを見た瞬間、それから同胞が王を討ったという報せを知った瞬間
国民たちは正義の勝利だ!と平和の記念日を制定しよう!とお祭り騒ぎで
広場に王の死体をぶら下げて思い思いに石を投げつけて
幸せそうに笑いながらパレードみたいにみんなで楽しく踊って、
それもまた美しき舞踏で、

 


美少年は一人静かに死体に歩み寄って、血溜まりに自分が耳にしていた
水晶のイヤリングを一粒落として、何も言わずにその国を去るんだけど、
丁度国境まで歩いてから一度だけ立ち止まって振り返り、
冷酷に目を細めて、薄汚れたマントのフードを深くかぶって
自分のあまりにも美しい顔を濃い影で隠すようにして歩き出して、

 

やがて王を失うと同時に統治も失い無法地帯になって
以前より深い真っ暗闇の未来へ進み始めたその国の民たちが口々に

 

「あの踊り子、とんでもなく美しい子供を覚えてるか
 とにかく踊りが上手くて、前触れ無く突然現れて、悪魔のようにこの国を傾けていった
 恨むべき恐ろしいやつだ、恨むべき恐ろしいやつだ、恨めしい、恨めしい」

 


と噂する頃にはとっくに別の見知らぬ国に現れて、
「この蜜の体、あなたさまの熱い指で溶かされてしまいます」と微笑んでる…

 

 

みたいなの、超エッチじゃない?!?!

 

やべーーーーーこれで3ヶ月はシコれる」

 

 

 

 

以上です。お風呂入ってきます。

 

 

生態観察記録・「スケオタという生き物」

早いもので、私がフィギュアスケートを見始めてから5年半ほど経ちました。
なんにも知らない、スポーツ観戦なんて一生縁がないと思っていた17歳当時に
プルシェンコのせっぼんに出会った時の衝撃は、今でも鮮やかなままです。
それから細々とアイスショーを観に行くようになり、
同じく細々と試合もテレビ観戦するようになり、
いわゆる「スケオタ」というほどどっぷりではないにしろ、
少なくとも「フィギュアスケートがめっちゃ好きな人」ではい続けました。
元々ただの独り言ツールだったTwitterのアカウント「水底」も、
今では試合やショーやメディア露出などのたびにワーワー騒ぐ、
フィギュアスケートがめっちゃ好きな人のアカウント」になりましたし、
ありがたいことに、それなりにスケオタの方々にフォローして頂いています。

 

ということは、いわゆる壁打ちではなくなったんですね。

 

私がフィギュアスケートについてツイートすれば、なにかしらの反応が返ってくる。
「反応が返ってくる」と一口に言ってもその内容は様々で、
簡単に言えば、良い空気になる・悪い空気になる といった感じで
昔よりいろいろなことを考えて発言するようになりました。
これ言ったら波風立っちゃうかな、ちょっと言葉柔らかくするか…
これ言ったら問題提起みたいに思われちゃうかな、前置き長めにするか…
だとか、特にデリケートな話題だといろいろと大変ではあります。

 

そういう状況が特にソチ後からの1年間はずっと続いて、
正直めっちゃ疲れるな~~~?オイ?とは思うんですが、
これは仕方のないことだと諦めはついています。
近頃の世間のフィギュアスケートへの過熱ぶりなどもあり、
個人個人が今まで以上に「考えて」発言しないといけなくなってるんだと思います。

 

2014年、すっかり自分のアカウントのフィギュア成分が濃くなって
上記のような感覚でTwitterをするようになったことで
それなりにスケオタたちの動向や一連の流れも追えるようになって、
ひとつ、分かったことがあります。

 

それは、「スケオタってなんか怖いな」ってことです。

 

と書くとめちゃくちゃ身もふたもないですし、
そもそもこれはあくまで「一部の」と付け加えなきゃいけないわけですし、
心優しきスケオタを私はたくさん知っています。(いつもありがとうございます)
ただ、この記事においては"あえて"、「スケオタめっちゃこえ~~~~!!」と
言い切ってしまいたいんです。あえてです。(強調しておきます)

 

それからもう一つ言っておいたほうがいいのは、
これは問題提起でも自治でも議論用の議題でもなく、
単なる、私が1年かけて行った「生態観察記録」でしかないということです。
それ以上でもそれ以下でもありません。
どうか穏やかにお読みください。というか、要はジョークなので、
「お楽しみください」って感じでもいいと思ってます。

 

前置きが長くなりましたが、

 

生態観察記録 「スケオタという生き物」

 

と銘打って、書いていこうと思います。

 

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◆"少女"という存在

 

スケオタが大事にしているもの、また、嫌っているもの
それは「少女」という存在です。
少女性が強いタイプの選手が頭角を現したとき、
あるスケオタたちはそれを維持することを本人に強く望みます。
「なんて純粋で、なんて美しい心の女の子なの!」と褒め称えていたいのです。
無垢な女性という存在への強い期待、これは時々信仰心じみているほどです。
しかし、同時に少女とは「子供であること」でもあります。
この「子供」という存在をひどく嫌うスケオタたちもいます。
しっかりしていて、きちんと振る舞えて、賢くて、
やがては大人の思う理想の大人に成長してくれそうな子供、
という存在への期待がそうさせるのだと思います。
なので、子供だとかそれ以前の、若者らしい明朗さや
輝度の高さを見せるとそれを「頭が悪い」とします。
ですがその一方で、しっかり者の子供に対して
「含みがある」「子供らしくない」「ずるがしこそう」
などと言うスケオタたちも加わってくるので、もう泥沼です。
大人げないですね。

 


◆スケオタチーム対抗戦

 

スケオタは365日、チームにわかれて戦っています。
話し合いで済んでいるうちはまだいいですが、
結局最後は遠くから石の入ったそこそこ硬いぐらいの玉を投げ合います。
鉄球は投げません。でも当たったらわりと痛いぐらいの玉です。
要はエアリプによる嫌味の応酬です。
対抗戦するのは毎年4月の選手たちだけでいいのにね、
と書こうとして気づいたのですが、
選手本人たちの意思そっちのけで
「○○選手に失礼だろ!」「そっちこそ△△選手がどう思うか考えろ!」
という殺意にも似た敵意を原動力に、お経のように嫌味を吐き出しているので、
対抗戦というよりは「場外乱闘」と書いたほうがいい場合も多いです。
場外乱闘と書いて「わがまま」とルビを振ります。

 


◆「対」を勝手に進化させる

 

フィギュアスケートを観ていると、時々「対」になる存在が現れます。
お互いがお互いをライバルと認め切磋琢磨していたり、
同じ国のいわゆるツートップと言われる実力の持ち主同士が、
それぞれ正反対とも言えるような魅力を持っている場合などです。
「対」は爽やかです。魅力的で、ドキドキする要素です。
どっちが好き?どっちも好き!えー私はこっちが好き!うーん迷っちゃう!
みたいな感じです。最高ですね。最高のはずなのですが、
スケオタは「対」が許せないのです。
漢字をひとつ付け加えて、「対立」にしたいのです。
それによって事態がどこに着地するのかというと、
「○○のほうが選手として至高!あれこそがフィギュアスケート!」
「いいや△△のほうが!あれこそフィギュアスケートのあるべき姿!」
という、いやそれ永遠に答え出ないんじゃないですか?
としか言いようのない、泥沼の戦いです。
怖いのでどこかインターネットの通じない奥深いジャングルなどに行って
怖い人たち同士でずっと言い合っていてほしいですね。
残ったみんなで「どっちが好き?どっちも好き!うーん迷っちゃう!」
ってワイワイおしゃべりして楽しんでおくので。

 


◆表現力VS技術力

 

スケオタが定期的に行う議論の膨大な議題のひとつに、
「表現力重視の選手と技術力重視の選手、どちらが正しいか」があります。

どっちも正しいわボケ!

 


◆「にわか」という通過儀礼

 

スケオタは「にわか」という言葉をよく使います。
右も左も分からない新規ファンが、無知ゆえに判断を間違え、
"暗黙の了解"で良くないとされている行為をしてしまうと、
スケオタはいっせいに半径5mの距離で取り囲み、
クスクス…ヒソヒソ…と音を立てながら、
時々ポコンと痛くない程度に石を投げます。
良くないとされている行為の「良くない」レベルの高さに応じて、
投げる石の量と硬さが変わってきます。
そういう時の合言葉は「これだからにわかは!」です。
どうして優しく注意してあげられないのでしょうか。
話の分かる新規ファンなら、「それはだめなんですよ」と
穏やかに、それでいて順序立てて説明すれば分かってくれるはずです。
まだ未完成の地図を持ってダンジョンに迷い込んだ新人勇者が
道を間違えてしまった時、その地図をビリビリに破きながら
「これだから経験値の足りないやつは!!俺なんかレベル99だぞ!」
と言っているようなものです。
どうして地図に道を一本書き加えてあげられないのでしょうか。
そもそも、新規ファンがプロフィールに
「ソチからのにわかですが」と自らにわかを名乗ってへりくだり、
"古参"とされるスケオタたちに腰を低くしていなければいけない、
そういう土壌をず~~~~(30行中略)~~~~っと固め続けていることが
なんだか奇妙に思えます。そういうカーストがあるのでしょうか。
ソチからのにわかですがの前は「バンクーバーからのにわかですが」と言っており、
その層は今ソチからのにわかですがの層をクスクスヒソヒソしています。
3年後には「平昌からのにわかですが」が始まるんだと思います。
笑っちゃいますね

 


◆若い子VS年配の女性

 

若「フィギュアのファンってなんていうか…年配の女性w多いよね」
老「若い子は元気でいいね…w」
若「個人の感想だけど、そういう人達って嫌味っぽい人多い気がする」
老「キャピキャピはしゃいで観戦する感じ、私は苦手かもw若いから仕方ないかなw」
若「なんかヒステリックな応援する人多いよね、試合の時びっくりしちゃった…w」
老「年寄りの説教って思われるかもしれないけど、もうちょっと落ち着いてほしいなw」
若「あーこわw年配の女性wの棘っぽさこわw」

アホとクソババアである

 


◆びっくりするぐらい過敏

 

悪意の塊のようなスケオタ、いわゆる「アンチ」と呼ばれる層が、
言ってしまえばスケート界の癌であることを知っているスケオタは多いのですが、
「アンチに過敏になりすぎるスケオタ」も同じぐらい
厄介だということも書いておかなければなりません。
少しでも、"角度を変えて見れば"そう思えてくるような他人の発言を見つけると
アンチだ!!と叫んで取り囲んで殴りつけます。
そういうスケオタはたいてい「選手のため」という正義のプラカードを持っていて、
それを振り上げてボコボコに殴ります。血が出るまでやります。
なぜなら自分たちが「正義」だからです。正義は「悪」を叩きのめしていいのです。
黙ってしまった相手の家に押しかけて、
「アンチですか?!アンチなんですか?!もしもーーし!!」
と叫びながらチャイムを連打している様子も見ます。
近所迷惑なのでやめてほしいです。

 


◆出る杭を打つ

 

簡単に言えば、
「成績が伸びてきた順に叩かれ始める」
ということです。ある意味わかりやすいですね。

 


◆過干渉

 

選手の人生にズイズイグイグイ干渉していくタイプのスケオタです。
○○選手はチームで浮いてるんじゃないか、
(ざまあみろw、心配だわ…、だよね~そうだと思った!など)
△△選手って××選手と付き合ってるんじゃないの?
(そんなの認めん!!、えー絶対別れそう~、など)
完全に余計なお世話です。選手とファンは赤の他人です。
赤の他人がいきなり自分のプライベートにズイッと首を突っ込んで、
ペラペラペラペラ喋り始めたらビビると思います。
「プライベートでもみんなに好かれる人気者であってほしい」
「恋愛に関しても実直で理想的な若者であってほしい」
というタイプのスケオタをよく見ますが、
いったいアスリートになにを求めているのでしょうか。
なんだろ…もしかして選手の…親なのかな?なるほど…

 


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以上です。なんか書くの疲れました。終わります。

 

観劇感想 柿食う客「完熟リチャード三世」

2月13日に柿食う客の女体シェイクスピア「完熟リチャード三世」を観てきました。

初見であることに加えて一人の女優につき何役も

上演中にめまぐるしく演じ分け続ける演目ですので、

なかなか記憶を辿るのが難しく、それ故に物凄く偏った感想になります。

 

まず特筆すべき点と言えば、

この演目が「女体シェイクスピア」であるということ。

その名の通りに、シェイクスピアのリチャード三世を

7人の女優だけで演じるというものです。

それも舞台衣装は主役のリチャード以外の役者が全て黒のドレス。

メイクも髪型も女性のまま、つまり

足を出したスカートや下ろした長い髪のままで男性役をこなしていくのです。

 

演じ方も、女の自分を捨てて代わりに舞台上に男を立たせるやり方ではなく、

女いう艶めかしい器で男の心をつるんとコーティングするような…

女特有の湿っぽさや生温かさを排除せず、

むしろそれに主導権を握らせながら男に落とし込んでいく。

まさに「女体」シェイクスピアでした。

 

舞台美術はごくシンプルで、中央に設置され巨大なチェス盤のみ。

その上に乗った役者が演じていくのですから、

つまりは登場人物はチェスの駒というわけです。

7人の女優が一人につき複数の役をかわるがわる瞬時に演じ分けながら

駒として物語を進めていく、これが複雑かつ独特の熱を帯びた

チェスというゲームの知略の数々のようにも見えてきます。

ダンスのようなモードなフォーメーションを次々に取りながら、

時折激しい照明の逆光に女体のシルエットを際立たせて、

駒たちはそれぞれの破滅へとひた走るのです。

 

女体というものには特有の臭気があります。

脂肪の多い柔らかな輪郭や媚びるような肌のつやから漂ってきます。

ぼってりとしたそのグロテスクを、鋭利な黒で包めば

それはなおさら強く見る側にアプローチしてくる。

女体というグロテスクが黒という刃物を手に入れたようなものです。

 

しかしその中において、リチャードだけは違います。

他の登場人物が一人残らず全て「女の器で男を包み込んだ存在」であるのに対して、
リチャードは服装は黒を纏いながらもパンツスタイルで、演技も少年~青年風です。
それからこれはやや主観ですが、かと言って完全な女の排除はしておらず、
どちらかと言うと男に近い中性と言った感じの印象を受けました。
それによって、女というエゴイスティックなグロテスクの中で
リチャードの迫害されてきたことによって生まれた悪意が
とてもピュアに引き立ち、そのコントラストが見事でした。

 

少年の傷ついた心がやがて歪なケロイドになり、
恐ろしい悪意へと肥大していく様が
彼が青年になってからもどこか思春期じみた透明感を残したまま伝わってきます。
これはリチャード役の安藤聖さんの上手さだと思います。

 

安藤聖さんの素晴らしさは、
「知性のある子供」を演じることの上手さです。
決して完成された美しい大人にならず、
青年へと成長していく中でも、傷つけられた時の子供の姿がずっと
リチャードの中にうずくまり続けているような。
それでいて残酷なまでの知性と、観客に訴えかけるカリスマ性、
言わばダークヒーローのような魅力を兼ね備えているのです。

 

冷血な頭の良さ、そして裏腹に見え隠れする幼児性。
相反するものを同時に抱えたリチャードは、終盤脆さを露呈します。
「怖い」という言葉を初めて口にしたリチャードは
もはやダークヒーローなどではなく1人の弱い子供で、
裏切らないでよ、と部下に泣きつく姿は今にもちぎれそうに哀れでした。

 

この演目には所々笑いの要素も含まれていて、
脇を固めるキャラクターなどをややコミックタッチとも言えるような
デフォルメされた個性で描き出しています。
これがあることも、間髪入れずに舞台上でめまぐるしく変わっていく配役も
分かりやすく追いかけていくことを可能にするための要素のひとつだと思います。
「このお決まりの台詞を言ったらこのキャラだな」というのがあるんです。
この手法が実に軽妙洒脱で、ダークな美の中にどこかポップな感じも匂わせてきました。

 

演劇って面白いんだな、と思わせられる作品でした。
グロテスクと、臭気と、湿っぽさと、生温かさと、鋭利さと、
悪意と、狂気と、時折ふわりと舞い降りる透明感。
クセの強い演目ですが、それゆえの終演後のシニカルな熱っぽさがたまらない。

 

東京公演は千秋楽を迎えましたが、
大阪公演と岐阜公演は(残り少ないですが)まだありますので、
もしご興味おありでしたら是非観てほしいです。


おわり

 

次は劇団四季のクレイジーフォーユーを観に行く予定です